大脳半球間裂奇形腫の1例

頭蓋内奇形腫は脳の正中部に多くみられ, その頻度は頭蓋内腫瘍の0.05~1.2%程度でまれな腫瘍である. 奇形腫の約半数は松果体部に発生し, 次いでトルコ鞍周辺, 小脳虫部, 脳室内に多いと報告されている. また若年者, 男性に多いようである. 我々は, 69歳男性の頭蓋内奇形腫を経験したので報告した. 腫瘍は大脳鎌下縁に接し脳梁前部の上にあり, 左右の大脳半球にはさまれるように存在した. 頭蓋単純写, 右頸動脈写, CT所見を示した. 手術の摘出標本では, 角化, 石灰化, 骨組織, 単層扁平上皮による管腔形成などを認め, 成熟型奇形腫と診断した. 文献上, 前部脳梁上の奇形腫はみいだせず,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.97-97
Hauptverfasser: 長坂昌登, 岡村和彦, 渡辺正男, 三須憲雄, 権田隆実
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭蓋内奇形腫は脳の正中部に多くみられ, その頻度は頭蓋内腫瘍の0.05~1.2%程度でまれな腫瘍である. 奇形腫の約半数は松果体部に発生し, 次いでトルコ鞍周辺, 小脳虫部, 脳室内に多いと報告されている. また若年者, 男性に多いようである. 我々は, 69歳男性の頭蓋内奇形腫を経験したので報告した. 腫瘍は大脳鎌下縁に接し脳梁前部の上にあり, 左右の大脳半球にはさまれるように存在した. 頭蓋単純写, 右頸動脈写, CT所見を示した. 手術の摘出標本では, 角化, 石灰化, 骨組織, 単層扁平上皮による管腔形成などを認め, 成熟型奇形腫と診断した. 文献上, 前部脳梁上の奇形腫はみいだせず, まれな部位の奇形腫と考え報告した.
ISSN:0470-8105