縮小拡大をくり返したcraniopharyngiomaの1例

CT scanにより鞍上部嚢胞性病変として発見される脳腫瘍はepidermoid, arachmid cyst, craniopharyngioma等があるが, これら鞍上部嚢胞の自然破裂の報告は少ない. 症例は74歳女性. 急激な頭蓋内圧亢進症状と痴呆で発症し, 某院CTにて鞍上部嚢胞の拡大による急性水頭症と診断. しかし, 入院中ある日突然症状が改善し, 当科転院後のCTでは嚢胞が縮小し, 水頭症も改善していた. しかし7ヵ月後, 再び嚢胞の拡大を認め, 頭痛, 悪心が出現し, 再入院となった. CTにて嚢胞被膜に石灰化を認め, craniopharyngiomaの疑いで腫瘍摘出術を行った...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.89-90
Hauptverfasser: 水落和也, 張家正, 菅野洋, 吉田利之, 中島麗, 藤津和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:CT scanにより鞍上部嚢胞性病変として発見される脳腫瘍はepidermoid, arachmid cyst, craniopharyngioma等があるが, これら鞍上部嚢胞の自然破裂の報告は少ない. 症例は74歳女性. 急激な頭蓋内圧亢進症状と痴呆で発症し, 某院CTにて鞍上部嚢胞の拡大による急性水頭症と診断. しかし, 入院中ある日突然症状が改善し, 当科転院後のCTでは嚢胞が縮小し, 水頭症も改善していた. しかし7ヵ月後, 再び嚢胞の拡大を認め, 頭痛, 悪心が出現し, 再入院となった. CTにて嚢胞被膜に石灰化を認め, craniopharyngiomaの疑いで腫瘍摘出術を行った. 被膜の生検にとどまったが, 組織学的にはcraniopharyngiomaであり, 自然破裂による縮小, その後の拡大を示したcraniopharyngiomaと考えられた. 鞍上部嚢胞性病変の自然破裂についてはarachnoid cystにおいて報告がみられるが, craniopharygiomaではごくまれと考えられ, 興味深い症例と思われる.
ISSN:0470-8105