悪性腫瘍に伴うDIC症候群による硬膜下血腫の2例

硬膜下血腫の原因として外傷が最も多いが, 悪性腫瘍の患者でDICが合併した場合に硬膜下血腫を作ることがまれではあるが報告されている. 今回我々は, 広範な全身転移のある胃癌患者で, DICと考えられる病態に続発した硬膜下血腫を2例経験したので若干の考察を加えて報告した. その発生機序としては, 硬膜のdense fibrous layerの静脈が腫瘍細胞で栓塞されると, areolar layerの血管にうっ血, 血管壁の破綻が生じ, 更にDICなどの凝固系の異常がこれを助長し硬膜下血腫を作ると説明されている....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.29-30
Hauptverfasser: 安孫子尚, 今田隆一, 藤本俊一, 樋口紘, 柏葉光利, 小野満
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜下血腫の原因として外傷が最も多いが, 悪性腫瘍の患者でDICが合併した場合に硬膜下血腫を作ることがまれではあるが報告されている. 今回我々は, 広範な全身転移のある胃癌患者で, DICと考えられる病態に続発した硬膜下血腫を2例経験したので若干の考察を加えて報告した. その発生機序としては, 硬膜のdense fibrous layerの静脈が腫瘍細胞で栓塞されると, areolar layerの血管にうっ血, 血管壁の破綻が生じ, 更にDICなどの凝固系の異常がこれを助長し硬膜下血腫を作ると説明されている.
ISSN:0470-8105