脳腫瘍摘出腔に生じた慢性硬膜下血腫の1例

脳腫瘍摘出後の腔にCT術後11ヵ月目に線状のHDAが出現し, 徐々に増大し, 再発を疑われ1年半後に再手術が行われた. 術中所見だが, 硬膜を開くと, 硬膜下の摘出腔には被膜を持った血腫が充満する形で存在し, 血腫被膜の内膜の内面に血腫が付着し, 病理所見でも, capillaryの増生は外膜より内膜に強く認められ, 出血源は内膜であると考えられた. また手術翌日のCTで, 摘出腔の線状のHDAは消失し, それは内膜であったことも確かめられた. 文献的にはCT上硬膜下水腫に続発する硬膜下血腫の報告等があるが, 我々の例でも摘出腔は右前角と交通し髄液で満たされており, そこに頭部外傷あるいは何ら...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.23-23
Hauptverfasser: 永山徹, 金山重明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳腫瘍摘出後の腔にCT術後11ヵ月目に線状のHDAが出現し, 徐々に増大し, 再発を疑われ1年半後に再手術が行われた. 術中所見だが, 硬膜を開くと, 硬膜下の摘出腔には被膜を持った血腫が充満する形で存在し, 血腫被膜の内膜の内面に血腫が付着し, 病理所見でも, capillaryの増生は外膜より内膜に強く認められ, 出血源は内膜であると考えられた. また手術翌日のCTで, 摘出腔の線状のHDAは消失し, それは内膜であったことも確かめられた. 文献的にはCT上硬膜下水腫に続発する硬膜下血腫の報告等があるが, 我々の例でも摘出腔は右前角と交通し髄液で満たされており, そこに頭部外傷あるいは何らかの原因で出血し, 被膜が形成され, 慢性硬膜下血腫へと進展したものと考えられた.
ISSN:0470-8105