正常圧水頭症および続発生交通性水頭症に対する持続脊髄ドレナージの価値

続発性交通性水頭症は古くから報告があり, 特に正常脳圧水頭症(NPH)は, 1965年Adamsら1)により精神症状・運動障害・尿失禁を主症状とし, 脳室拡大を示すにもかかわらず脳圧が正常範囲にあり, しかもshunt術により症状の改善をみた症例について詳細な報告がなされ, それ以来注目されるようになった. これは主として脳脊髄液(CSF)の吸収障害に基づくものとされているが, その後同様の症例に対するshunt術の無効が報告され混乱が生じ, NPHの概念, 診断および治療にきわめて複雑な問題を投げかけ今日に至っている46, 49, 52, 57). 最近我々の経験したNPHについて調査したと...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (12), p.952-958
Hauptverfasser: 大脇潔, 陳茂楠, 志村俊郎, 矢嶋浩三, 中沢省三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:続発性交通性水頭症は古くから報告があり, 特に正常脳圧水頭症(NPH)は, 1965年Adamsら1)により精神症状・運動障害・尿失禁を主症状とし, 脳室拡大を示すにもかかわらず脳圧が正常範囲にあり, しかもshunt術により症状の改善をみた症例について詳細な報告がなされ, それ以来注目されるようになった. これは主として脳脊髄液(CSF)の吸収障害に基づくものとされているが, その後同様の症例に対するshunt術の無効が報告され混乱が生じ, NPHの概念, 診断および治療にきわめて複雑な問題を投げかけ今日に至っている46, 49, 52, 57). 最近我々の経験したNPHについて調査したところ興味ある事実が判明したので, これらを中心にNPHの定義や成因, さらに新しい診断法などについて検討するとともに文献的考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105