片麻痺と髄液細胞増多を示した下垂体卒中の1例

Bleibtreu3)が1905年に初めて下垂体腺腫内の出血について報告して以来, 下垂体卒中に関する報告は数多くみられる25). 下垂体卒中は「突然, 頭痛・弱視・嗜眠・昏睡などに至る. 」27)とされるが, 片麻痺などの大脳半球症状や強い脳腫脹を生じることはまれである. クモ膜下出血を伴うこともよく知られている13, 28)が, 髄液中に出血せずに髄液細胞数が増加することはまれであり, あたかも細菌性髄膜炎を思わせるほど, 著しい髄液中の多核白血球の増加がみられることはきわめてまれである25). 我々は, 病初期より片麻痺ときわめて著しい髄液中多核白血球の増加を呈し, 結局, 片麻痺と反対...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (4), p.289-294
Hauptverfasser: 山田修久, 横山元晴, 関口賢太郎, 佐藤宏, 石井鐐二, 田中隆一, 中島茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Bleibtreu3)が1905年に初めて下垂体腺腫内の出血について報告して以来, 下垂体卒中に関する報告は数多くみられる25). 下垂体卒中は「突然, 頭痛・弱視・嗜眠・昏睡などに至る. 」27)とされるが, 片麻痺などの大脳半球症状や強い脳腫脹を生じることはまれである. クモ膜下出血を伴うこともよく知られている13, 28)が, 髄液中に出血せずに髄液細胞数が増加することはまれであり, あたかも細菌性髄膜炎を思わせるほど, 著しい髄液中の多核白血球の増加がみられることはきわめてまれである25). 我々は, 病初期より片麻痺ときわめて著しい髄液中多核白血球の増加を呈し, 結局, 片麻痺と反対側の大脳半球の著しい腫脹を生じて死亡した下垂体卒中の1例を経験した. 剖検で, 片麻痺および脳腫脹の原因と, 髄液中多核白血球増多の原因について検索を行ったので, その結果と併せ症例を報告する. 症例 17才, 男子 主訴:嘔気・嘔吐を伴う頭痛, 発熱, 意識障害, 視力低下, 眼球運動障害, 左片麻痺 家族歴:特記すべきことなし
ISSN:0470-8105