Spontaneous subdural hematomaにて発症した脳動脈瘤の2例

Non-traumaにて発症するacute subdural hematomaの原因とし, 動脈源となるものが意外に多い. その中でもA-V-malfomation, cerebral aneurysm, subdural spaceを横切りduraに入るsmall arterial twigsの破綻がその主な原因である. 今回はacute subdural hematomaにて発症したAcom A(〈症例1〉)とlt. A_2 のgiant aneurysm(〈症例2〉)の2例について, その発生メカニズムに関し報告した. Strang(1961年)は3つのメカニズムを提唱した. 各々の症例に適応させると, 〈症例1〉は, intracerebral hematomaが先行したのち, この血腫圧に耐えられずpia-arachnoid membraneが破綻をきたした脳内血腫型であった. 〈症例2〉は, giant aneurysmによって拡げられたsubarachnoid spaceに動脈瘤破裂による急激な血液の貯留が生じ, これがarachnoid membraneの脆弱な部質に破綻をきたし, subdural spaceに血液が流れ込んだものと考えられた. その他の因子として, 動脈瘤の部位, 方向, 出血の既往の有無などが重要である.