異常血管網を有する多発脳動脈瘤の1症例

症例は52才の男性. SAHで入院. 脳血管造影では右内頸動脈がC_1 -portionで閉塞され, 脳底部に異常血管網を示し, 左内頸動脈のIC-PCと右後大脳動脈のP_1 -Pcomに, それぞれaneurysmを認めたので, 二度に分けclipping術を施行した. 右後大脳動脈のaneurysmには, 異常血管網を有する右側よりpterional approachで進み, これら血管網の間を侵入し, aneurysmにclippingできた. 術中所見で, 右内頸動脈はC_1 -portionで急に細くなり, 索状様のA_1 およびM_1 が左右に分枝していたので, このM_1 が血流...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.209-209
Hauptverfasser: 森山忠良, 寺本成美, 真島隆三, 米倉正大, 北島陽夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は52才の男性. SAHで入院. 脳血管造影では右内頸動脈がC_1 -portionで閉塞され, 脳底部に異常血管網を示し, 左内頸動脈のIC-PCと右後大脳動脈のP_1 -Pcomに, それぞれaneurysmを認めたので, 二度に分けclipping術を施行した. 右後大脳動脈のaneurysmには, 異常血管網を有する右側よりpterional approachで進み, これら血管網の間を侵入し, aneurysmにclippingできた. 術中所見で, 右内頸動脈はC_1 -portionで急に細くなり, 索状様のA_1 およびM_1 が左右に分枝していたので, このM_1 が血流なきことを確認し切除した. 病理学的には血管内陸は結合組織で埋もれ完全に閉塞され, 内弾性板は迂曲蛇行し, 一部断裂しているのがみられた. 術後6ヵ月目に右側後頭葉内に血腫が発生したが, いわゆる成人型のものと同じで保存的に治療し退院した. 以上の症例のごとく, 異常血管網に併発する脳動脈瘤症例の中には, 直接手術可能な症例もあるものと思われ, 今後の検討が必要と思われる.
ISSN:0470-8105