False localizing signを呈した後頭蓋窩髄膜腫の1例

頭蓋内腫瘍のうち比較的まれに, 神経学的にその腫瘍局在部位とは一致しない, いわゆるfalse localizing sign (FLS)を呈する症例がある. 我々は左後頭蓋窩髄膜腫で, このFLSを呈した症例を経験したので報告する. 症例:46才女性. 頭痛, ふらつき歩行を主訴として来院. (1)mentalityの低下, (2)両側うっ血乳頭, (3)上方視, 側方視時の眼振, (4)右角膜反射消失, (5)右顔面のhype-sthesia, (6)舌右半分軽度味覚障害, (7)左片麻痺, (8)ふらつき歩行, (9)左coordinationの障害を認め, このうち(4)(5)(6)(...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.208-208
Hauptverfasser: 峯田洋子, 米田敬三, 藤井清孝, 西村謙一, 真島東一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭蓋内腫瘍のうち比較的まれに, 神経学的にその腫瘍局在部位とは一致しない, いわゆるfalse localizing sign (FLS)を呈する症例がある. 我々は左後頭蓋窩髄膜腫で, このFLSを呈した症例を経験したので報告する. 症例:46才女性. 頭痛, ふらつき歩行を主訴として来院. (1)mentalityの低下, (2)両側うっ血乳頭, (3)上方視, 側方視時の眼振, (4)右角膜反射消失, (5)右顔面のhype-sthesia, (6)舌右半分軽度味覚障害, (7)左片麻痺, (8)ふらつき歩行, (9)左coordinationの障害を認め, このうち(4)(5)(6)(7)が結果的にFLSと考えられた. CT scanおよび脳血管撮影で, 軽度のherniationの所見と第四脳室の偏位が認められた. これらの事実から, 本症例におけるFLS発現メカニズムとして, 1)mass effectによる脳幹の偏位, さらに三叉神経, 顔面神経自体のtraction, compressionによるもの, また2)錐体路症状は, herniationによるKernohans notchで生じた可能性が高いと推察した.
ISSN:0470-8105