急性硬膜外血腫をきたしたosteogenesis imperfectaの1例

症例は16才男性. 1才頃より10才までに, 長管骨および脊椎骨の骨折を約100回起こし, 3才時osteogenesis imperfecta(O.I.)の診断がなされた. 四肢, 脊椎, 胸部に著明な変形があり, 車イス生活を送っていた. 今回, 車イスが横転し, 手足の骨折を避けようとして頭から床に落ち, 頭部を打撲した. その後, 強い頭痛と頻回の嘔吐が持続し来院した. 頭蓋単純写で左頭頂部に線状骨折があり, CT scanにて同部に血腫の所見を認め, 血腫を除去した. 頭蓋単純写で顔面骨に比べ頭蓋冠が大きく, 内板・外板ともに年齢に比して薄く, 縫合の発達は不良であった. 手術で,...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.196-196
Hauptverfasser: 吉岡進, 不破功, 太田辰彦, 小阪英幸, 和田秀隆, 佐竹孝之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は16才男性. 1才頃より10才までに, 長管骨および脊椎骨の骨折を約100回起こし, 3才時osteogenesis imperfecta(O.I.)の診断がなされた. 四肢, 脊椎, 胸部に著明な変形があり, 車イス生活を送っていた. 今回, 車イスが横転し, 手足の骨折を避けようとして頭から床に落ち, 頭部を打撲した. その後, 強い頭痛と頻回の嘔吐が持続し来院した. 頭蓋単純写で左頭頂部に線状骨折があり, CT scanにて同部に血腫の所見を認め, 血腫を除去した. 頭蓋単純写で顔面骨に比べ頭蓋冠が大きく, 内板・外板ともに年齢に比して薄く, 縫合の発達は不良であった. 手術で, 頭蓋骨は薄く青味がかっており, 幼若な頭蓋の様相を呈していた. O.I.の頭蓋は, 易骨折性であるにもかかわらず, 頭蓋骨骨折の報告が少ないのは, 本症の患者では生活範囲, 活動能力が限られるために頭部を打撲する可能性が少ないことが大きな要因と考えられる.
ISSN:0470-8105