特異な形状を持つ右側頭骨腫瘤の1例

症例は48才女性. 7年来の右項部痛・頭痛を主訴とし, 5年前に右側頸部打撲の既往がある. 入院時, 身体的・神経学的・血液尿一般検査・副甲状腺機能に異常を認めなかった. 頭部単純撮影側面像にて右pterionに楕円形のリング状陰影を, 正面像にて, 右sphenoidal ridgeの肥厚, 硬化像を認め, CT・断層撮影にて, 中頭蓋窩に突出する中腔をもつ骨構造物を認めた. 手術にて, 頭蓋表面には突出などの所見はなく, 内側・外側の骨性組織は肥厚して硬く, 中央のradiolucentな部分には中央に少量のxanthochromicな液を含んだ軟組織が充填されていた. この軟組織は一部冠...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.85-86
Hauptverfasser: 山崎信吾, 武井秀憲, 戸根修, 富田博樹, 稲葉穣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は48才女性. 7年来の右項部痛・頭痛を主訴とし, 5年前に右側頸部打撲の既往がある. 入院時, 身体的・神経学的・血液尿一般検査・副甲状腺機能に異常を認めなかった. 頭部単純撮影側面像にて右pterionに楕円形のリング状陰影を, 正面像にて, 右sphenoidal ridgeの肥厚, 硬化像を認め, CT・断層撮影にて, 中頭蓋窩に突出する中腔をもつ骨構造物を認めた. 手術にて, 頭蓋表面には突出などの所見はなく, 内側・外側の骨性組織は肥厚して硬く, 中央のradiolucentな部分には中央に少量のxanthochromicな液を含んだ軟組織が充填されていた. この軟組織は一部冠状縫合および鱗状縫合と索状に結合していた. 腫瘤と硬膜に癒着はなかった. 病理組織にて, 内側・外側の骨性組織はcompactなosteoma様所見を示し, 中央の軟組織に炎症性細胞浸潤, 腫瘍性細胞は認められず, collagen線維からなる疎らな結合織のみからなっていた. 本例のような形状を示すosteomaは現在までの文献的検索ではみられず, 別種のものと考えその病因につき検討中である.
ISSN:0470-8105