小児における後頭蓋窩endodermal sinus tumorの1例
後頭蓋窩原発と考えられるendodermal sinus tumorの1例を経験したので報告した. 症例は2才8ヵ月男児. 歩行中転倒, 頭痛, 嘔吐にて入院. 神経学的には軽度歩行障害のみであった. 生化学的検査にて血清α-fetoprotein(AFP)が17, 710ng/mlと高値を示した. CTにて右小脳半球上外方にisodensity massが認められ, 造影剤にて均一にenhanceされた. 脳血管撮影では, 外頸動脈の後頭動脈からの髄膜枝が栄養血管となっていた. 術中の所見では, 腫瘍は横静脈洞内側の天幕下面に付着し, 境界鮮明, 実質性で粘液にて覆われており, 重量22gで...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.73-73 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 後頭蓋窩原発と考えられるendodermal sinus tumorの1例を経験したので報告した. 症例は2才8ヵ月男児. 歩行中転倒, 頭痛, 嘔吐にて入院. 神経学的には軽度歩行障害のみであった. 生化学的検査にて血清α-fetoprotein(AFP)が17, 710ng/mlと高値を示した. CTにて右小脳半球上外方にisodensity massが認められ, 造影剤にて均一にenhanceされた. 脳血管撮影では, 外頸動脈の後頭動脈からの髄膜枝が栄養血管となっていた. 術中の所見では, 腫瘍は横静脈洞内側の天幕下面に付着し, 境界鮮明, 実質性で粘液にて覆われており, 重量22gであった. 病理組織所見では典型的なendodermal sinus tumorで, 酵素抗体法にてAFPが細胞内に証明された. 術後AFPは半減期の5日に沿って減少した. 本症例は, 転移性のものである可能性も完全には否定できないが, 全身の検索にて原発巣を見い出せず, 術後のAFPの消長からみて原発性であろうと推察した. |
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ISSN: | 0470-8105 |