多発性後下小脳動脈瘤の1例

後下小脳動脈末梢部に2個の動脈瘤を持つまれな症例を経験したので報告した. 症例は62才女性. クモ膜下出血にて発症. 発症後40日目に当科入院. 4 vessel studyによる脳血管撮影にて, 右後下小脳動脈のtonsillohemispheric branchに1個の嚢状動脈瘤が認められた. Medial suboccipital approachにて動脈瘤クリッピングを施行した. 術後の血管撮影にて, 動脈瘤は依然として同じ部位に造影され, クリップはその中枢側約1cmの部位に映っていた. 多発動脈瘤と判断し, 再開頭して2個目の動脈瘤をクリップした. 術中に前回クリップした動脈瘤を試...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.66-66
Hauptverfasser: 桑山直也, 池田秀敏, 園部真, 高橋慎一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:後下小脳動脈末梢部に2個の動脈瘤を持つまれな症例を経験したので報告した. 症例は62才女性. クモ膜下出血にて発症. 発症後40日目に当科入院. 4 vessel studyによる脳血管撮影にて, 右後下小脳動脈のtonsillohemispheric branchに1個の嚢状動脈瘤が認められた. Medial suboccipital approachにて動脈瘤クリッピングを施行した. 術後の血管撮影にて, 動脈瘤は依然として同じ部位に造影され, クリップはその中枢側約1cmの部位に映っていた. 多発動脈瘤と判断し, 再開頭して2個目の動脈瘤をクリップした. 術中に前回クリップした動脈瘤を試験切除した. その組織学的所見は, 中膜における軽度の細胞膨化, 染色性の減弱といった変性像がみられたのみであり, 血液・生化学的所見と併せ考えると細菌性動脈瘤ではないと判断された. 患者は術後, 激症肝炎を併発し, 死亡の転帰をとった.
ISSN:0470-8105