老年女性の頭皮に発生した特発性動静脈瘻の1例

症例は64才女性. 頭部外傷の既往なし. 2年前より持続性左耳鳴り・増大する左耳介後部の拍動性腫瘤をきたし, 1980年7月当科に入院. 腫瘤は圧縮性・bruit・thrill・terriere徴候を有し, 左CAG動脈相で, 拡張蛇行した後耳介動脈と後頭動静小枝をfeederとする1.5×1cmのaneurysmが直接後耳介静脈にdrainする像を得, feederおよびdrainerとともに全剔出することにより, 耳鳴りは消失し治癒退院した. 組織学的にvenous aneurysmを伴う動静脈瘻であった. 頭皮の後天性動静脈瘻・動脈瘤は, 外傷性のものが主体で, 本例を含め197例(本邦...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.52-52
Hauptverfasser: 卯木次郎, 小泉英仁, 小野伸夫, 坐間朗, 武田文和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は64才女性. 頭部外傷の既往なし. 2年前より持続性左耳鳴り・増大する左耳介後部の拍動性腫瘤をきたし, 1980年7月当科に入院. 腫瘤は圧縮性・bruit・thrill・terriere徴候を有し, 左CAG動脈相で, 拡張蛇行した後耳介動脈と後頭動静小枝をfeederとする1.5×1cmのaneurysmが直接後耳介静脈にdrainする像を得, feederおよびdrainerとともに全剔出することにより, 耳鳴りは消失し治癒退院した. 組織学的にvenous aneurysmを伴う動静脈瘻であった. 頭皮の後天性動静脈瘻・動脈瘤は, 外傷性のものが主体で, 本例を含め197例(本邦:16例)の報告があり, aneurysmを伴うものは7例で, うち6例が動脈瘤であるのに対して, 本例は静脈瘤であった点で唯一の症例と考えられる. 諸所見より外傷性を示唆するが, その機転がなく, 特発性と考えられる. 治療法は剔出がもっとも優れている.
ISSN:0470-8105