クッシング病にみられた高血圧性脳内出血の1治験例

クッシング病に合併した高血圧性脳出血の1手術例を経験した. 症例は42才女性. 1年前にクッシング病の診断を受け, 自宅にて下垂体腺腫摘出術の待機中に左外側型脳出血が発症した. 他医にてグリセロール, ステロイドの大量投与を受け, 高度の低K血症がみられたため, この補正等全身状態の改善に努め, 第4病日に開頭術, 血腫除去を行った. 術中術後を通じて出血傾向などのトラブルはなく, 術前にみられた高血圧も著明に軽快し, むしろ諸条件の管理が容易となり, その後, 腺腫摘出術を施行した. 現在リハビリテーション中である. クッシング病に合併する脳血管障害例は文献で散見されるが, その血腫除去手術...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.47-48
Hauptverfasser: 門脇親房, 酒井龍雄, 岡田純一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クッシング病に合併した高血圧性脳出血の1手術例を経験した. 症例は42才女性. 1年前にクッシング病の診断を受け, 自宅にて下垂体腺腫摘出術の待機中に左外側型脳出血が発症した. 他医にてグリセロール, ステロイドの大量投与を受け, 高度の低K血症がみられたため, この補正等全身状態の改善に努め, 第4病日に開頭術, 血腫除去を行った. 術中術後を通じて出血傾向などのトラブルはなく, 術前にみられた高血圧も著明に軽快し, むしろ諸条件の管理が容易となり, その後, 腺腫摘出術を施行した. 現在リハビリテーション中である. クッシング病に合併する脳血管障害例は文献で散見されるが, その血腫除去手術の報告はみられない. 我々の経験から, このような場合はむしろ積極的, かつ可及的早期の脳内血腫除去により全身状態の安定をはかり, 腺腫摘出に臨むべきと考える.
ISSN:0470-8105