Perioptic meningioma類似のCT所見を示したlymphocytic inflammatory pseudotumorの1例

眼窩偽腫瘍の定義は従来あいまいなものであったが, Hendersonらによりその輪郭分類はかなり明確になってきた. 我々は最近, CTでperioptic meningiomaを疑い, 手術によりHendersonの言うPseudotumor Type II, すなわち典型的lymphocytic inflammatory pseudotumorを確認した1症例を, 病理所見, 手術所見および他の疾患との鑑別につきCT所見を中心に言及した. 症例は56才男性. 主訴は左眼球突出と視力低下, 左眼瞼浮腫, 時に複視がみられた. Steroid療法にて症状は一進一退を呈した. 検査にて異常所見認め...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.42-42
Hauptverfasser: 塚原薫, 串田良昌, 松元幹郎, 寺尾栄夫, 大岡良子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:眼窩偽腫瘍の定義は従来あいまいなものであったが, Hendersonらによりその輪郭分類はかなり明確になってきた. 我々は最近, CTでperioptic meningiomaを疑い, 手術によりHendersonの言うPseudotumor Type II, すなわち典型的lymphocytic inflammatory pseudotumorを確認した1症例を, 病理所見, 手術所見および他の疾患との鑑別につきCT所見を中心に言及した. 症例は56才男性. 主訴は左眼球突出と視力低下, 左眼瞼浮腫, 時に複視がみられた. Steroid療法にて症状は一進一退を呈した. 検査にて異常所見認めず, 手術にてoptic nerveは正常で, その周囲にfibroticな腫瘤が視神経を包み込むように存在していた. 病理標本ではリンパ球の集積がみられ, 一部follicle構造を形成し, 結合織の反応はみられるが, 血管炎やリンパ球の異形成は認められず, 非特異的な炎症所見を呈した. Hendersonはpseudotumorを2型に分類しており, orbital vasculitisとリンパ球浸潤の激しい炎症性の反応に分けると, 我々の症例は後者に属した.
ISSN:0470-8105