腫瘍内出血をみたmeningiomaの1例

腫瘍からの出血による頭蓋内血腫は広く知られているが, その多くは転移性腫瘍, または悪性グリオーマからのもので, 髄膜腫よりの出血は少ない. 1981年のLazaroらによれば, 髄膜腫に出血を伴ったものは28例にすぎず, 同年の土田の報告を加えても29例で, 我々のを併せると30例となる. 出血の成因についても, これまでのところ腫瘍の種類, 年齢, 性別などに特に片寄りがなく, 腫瘍血管の脆弱性, 腫瘍の悪性化, または腫瘍の虚血性変化による壊死部からの出血など推定されているが, 確定はされていない. 我々の症例においては, 髄膜腫内に壊死部があり, それに隣接して血腫が存在することより,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.41-41
Hauptverfasser: 吉本智信, 根本繁, 水谷弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腫瘍からの出血による頭蓋内血腫は広く知られているが, その多くは転移性腫瘍, または悪性グリオーマからのもので, 髄膜腫よりの出血は少ない. 1981年のLazaroらによれば, 髄膜腫に出血を伴ったものは28例にすぎず, 同年の土田の報告を加えても29例で, 我々のを併せると30例となる. 出血の成因についても, これまでのところ腫瘍の種類, 年齢, 性別などに特に片寄りがなく, 腫瘍血管の脆弱性, 腫瘍の悪性化, または腫瘍の虚血性変化による壊死部からの出血など推定されているが, 確定はされていない. 我々の症例においては, 髄膜腫内に壊死部があり, それに隣接して血腫が存在することより, 壊死部からの出血がもっとも考えられやすいと推定された.
ISSN:0470-8105