完全内臓逆位を伴ったazygos anterior cerebral artery aneurysmの1例

症例は57才女性. 1981年5月31日, 突然の頭痛悪心, 嘔吐, 軽度意識障害にて発症のクモ膜下出血. 6月16日の入院時所見では, 意識清明, 神経脱落症状なし. 脳血管撮影にて, azygos anterior cerebral arteryとそのproximal endの破裂動脈瘤を認めた. 胸部X線写真, 心電図では心臓の逆位を, aortographyでは大動脈弓の左右逆転, 左椎骨動脈が右側に比し発達している所見を認めた. 腹部エコー, pyelographyなどでは, 腹部臓器の完全逆位と胆のう結石の所見を得た. 6月25日, 破裂脳動脈瘤に対してネッククリッピングを施行し,...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.40-40
Hauptverfasser: 伝田吉平, 清水庸夫, 角田忠生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は57才女性. 1981年5月31日, 突然の頭痛悪心, 嘔吐, 軽度意識障害にて発症のクモ膜下出血. 6月16日の入院時所見では, 意識清明, 神経脱落症状なし. 脳血管撮影にて, azygos anterior cerebral arteryとそのproximal endの破裂動脈瘤を認めた. 胸部X線写真, 心電図では心臓の逆位を, aortographyでは大動脈弓の左右逆転, 左椎骨動脈が右側に比し発達している所見を認めた. 腹部エコー, pyelographyなどでは, 腹部臓器の完全逆位と胆のう結石の所見を得た. 6月25日, 破裂脳動脈瘤に対してネッククリッピングを施行し, 7月31日, 神経脱落症状を残さずに退院となった. Azygos anterior cerebral arteryに中枢神経系・心血管系の先天奇形, 脳動脈瘤, AVM, 脳腫瘍などを伴うことはしばしばあるが, 完全内臓逆位を合併した報告はなく, 本例が初めてであった.
ISSN:0470-8105