シャント手術の合併症

シャント手術の合併症3例, いずれも手術手技上に問題のあった症例を報告した. 症例1:2ヵ月男児. 内水頭症でVDD施行後VPSを予定したが, 急激に進行する貧血があり, 脳室内より約400gの凝血を除去した. 出血の原因は, 脳室穿刺時のカニューレが重力により沈降し, 脳室底面を傷つけたためであった. 症例2:34才男性. 心手術後の水頭症にVDD後VPSを行ったが, 硬膜切開時SSSを直撃して大出血をきたした. センターラインを正しく引かなかった事が原因である. 症例3:31才男性. VPSに際し右上腹部をトロアカールで穿刺したところ, 腹部大動脈に刺入して大出血を見た. 腸管の少ない上腹...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.27-27
Hauptverfasser: 田中輝彦, 中岡勤, 金子伸司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:シャント手術の合併症3例, いずれも手術手技上に問題のあった症例を報告した. 症例1:2ヵ月男児. 内水頭症でVDD施行後VPSを予定したが, 急激に進行する貧血があり, 脳室内より約400gの凝血を除去した. 出血の原因は, 脳室穿刺時のカニューレが重力により沈降し, 脳室底面を傷つけたためであった. 症例2:34才男性. 心手術後の水頭症にVDD後VPSを行ったが, 硬膜切開時SSSを直撃して大出血をきたした. センターラインを正しく引かなかった事が原因である. 症例3:31才男性. VPSに際し右上腹部をトロアカールで穿刺したところ, 腹部大動脈に刺入して大出血を見た. 腸管の少ない上腹部にトロアカールを使用するといった基本的手技の誤りである. また, 粗暴な刺入も大きな原因である. 以上の3例はいずれも術者側に問題があり, 基本的事項を守っていれば防止できたトラブルであった.
ISSN:0470-8105