鉤回発作にて発症した側頭葉神経膠腫の2例

我々は, 鉤回発作を初発症状として発症した側頭葉腫瘍(星細胞腫)の2例を経験した. 症例1:45才男性. 松葉をすりつぶしたような不快な臭い発作, 夢幻状態にて発症し, 神経学的には右上1/4同名半盲, 軽度の記憶障害, 計算力の低下を認めた. CTでは, 左側頭葉深部から被殻に至る一部嚢胞形成を伴った, 造影剤による増強効果の著明な病変を認めた. 症例2:28才男性. 突然起こるなんとも形容しがたい異様な臭い, 嘔気, 恐怖感発作, 動悸, 冷汗にて発症し, 神経学的には軽度の左中枢性顔面神経麻痺を認めた. CTでは, 右側頭葉深部から側頭葉外側部, 前頭葉に至る広範で増強効果のない病変を認...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.25-26
Hauptverfasser: 斎藤伸二郎, 池田典昭, 佐藤清, 板垣晋一, 山際修, 山田潔忠, 中井昴, 山崎悦功
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 鉤回発作を初発症状として発症した側頭葉腫瘍(星細胞腫)の2例を経験した. 症例1:45才男性. 松葉をすりつぶしたような不快な臭い発作, 夢幻状態にて発症し, 神経学的には右上1/4同名半盲, 軽度の記憶障害, 計算力の低下を認めた. CTでは, 左側頭葉深部から被殻に至る一部嚢胞形成を伴った, 造影剤による増強効果の著明な病変を認めた. 症例2:28才男性. 突然起こるなんとも形容しがたい異様な臭い, 嘔気, 恐怖感発作, 動悸, 冷汗にて発症し, 神経学的には軽度の左中枢性顔面神経麻痺を認めた. CTでは, 右側頭葉深部から側頭葉外側部, 前頭葉に至る広範で増強効果のない病変を認めた. 鉤回発作は側頭葉に限局した病変を持つ発作として有名だが, 鉤回発作と側頭葉腫瘍との関係などについて若干の考察を加えて報告した.
ISSN:0470-8105