前頭蓋底に発生したganglioneuroblastomaの長期観察例

神経細胞系の腫瘍の1つであるneuroblastomaは, 我国の小児悪性腫瘍の約10%にみられる22). しかし本腫瘍の原発部位は, 副腎および末梢の交感神経節がほとんどであり, 最近の脳腫瘍全国統計によれば, 中枢神経系原発のneuroblastomaは全脳腫瘍の0.1%を占めるにすぎず, きわめてまれな腫瘍である. 今回我々は, 前頭蓋底に発生し, 組織学的に神経芽腫群腫瘍の1つであるとされているganglioneuroblastomaの長期観察例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 19才, 男性 主訴:視力低下, 易疲労感 現病歴:1971年1月頃(19才)より易疲労感...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (9), p.757-762
Hauptverfasser: 保坂力, 貫井英明, 小泉英仁, 宮崎瑞穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経細胞系の腫瘍の1つであるneuroblastomaは, 我国の小児悪性腫瘍の約10%にみられる22). しかし本腫瘍の原発部位は, 副腎および末梢の交感神経節がほとんどであり, 最近の脳腫瘍全国統計によれば, 中枢神経系原発のneuroblastomaは全脳腫瘍の0.1%を占めるにすぎず, きわめてまれな腫瘍である. 今回我々は, 前頭蓋底に発生し, 組織学的に神経芽腫群腫瘍の1つであるとされているganglioneuroblastomaの長期観察例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 19才, 男性 主訴:視力低下, 易疲労感 現病歴:1971年1月頃(19才)より易疲労感を覚えるようになり, 同時に急激な体重減少がみられた. 1973年9月には, 徐々に左眼の視力低下が出現し進行していったため, 同年11月, 眼科を受診したところ, 両側眼底にうっ血乳頭が認められ, 当科に精査加療を目的として11月26日入院した.
ISSN:0470-8105