頭蓋咽頭腫に対するtranssphenoidal surgeryの経験

下垂体部腫瘍に対するtranssphenoidal surgeryは古くCushing1)により確立されたが, その後30年間はほとんど顧みられなかった. しかし近年抗生物質の開発, 手術器具の改良, 手術顕微鏡, および術中fluoroscopyの使用等により, 再び脚光をあびてきた. 下垂体腺腫に対しては, すでにここ数年間に, 多くの症例が本法により治療され2, 6, 9), その適応がほぼ確定されつつある. 一方craniopharyngiomaには, 従来intracranial approachが多く用いられてきた. しかしcraniopharyngiomaの一部には, 鞍内に限局...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (2), p.111-116
Hauptverfasser: 小林達也, 桑山明夫, 景山直樹, 吉田純, 蟹江規雄, 井上達, 坂野公一, 渋谷直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:下垂体部腫瘍に対するtranssphenoidal surgeryは古くCushing1)により確立されたが, その後30年間はほとんど顧みられなかった. しかし近年抗生物質の開発, 手術器具の改良, 手術顕微鏡, および術中fluoroscopyの使用等により, 再び脚光をあびてきた. 下垂体腺腫に対しては, すでにここ数年間に, 多くの症例が本法により治療され2, 6, 9), その適応がほぼ確定されつつある. 一方craniopharyngiomaには, 従来intracranial approachが多く用いられてきた. しかしcraniopharyngiomaの一部には, 鞍内に限局するもの, 鞍内が主体で一部鞍上部に進展しているものがあり, 理論的に本法の適応と考えられる. またcraniopharyngiomaは, しばしば鞍内または鞍上部に嚢腫を形成し, そのため視力障害など急激な病状の進行を示すことが多い. したがって. 本法によるcystのdrainageが本腫瘍の治療の1つにつながることが考えられるる9). 本論文では, 4例のcraniopharyngiomaに本法を行った経験を述べ, 本法の利点, 手術適応について文献的考察を加え検討する.
ISSN:0470-8105