Parasagittal meningiomaの全摘と上矢状静脈洞の再建術
最近演者らは, 上矢状洞中三分の一の部分に附着したparasagittal meningiomaの症例に対し, 腫瘍の全摘出と自家静脈移植による上矢状洞形成ならびに橋静脈の再建術を行ったので, その術式を供覧する. 症例は36才の女性で, 入院1年前より数回の意識喪失発作があり, 2ヵ月前より左上肢に始まるジャクソン型痙攣発作が出現するようになった. 入院時には左側不全麻痺, 左側腱反射の亢進を認めた. 右CAG正面像ではparasagittalに腫瘍陰影を認め, 側面像では腫瘍は上矢状洞中三分の一の部分に附着しているごとくであった. 静脈相ではRolandic veinは腫瘍により後方へ圧排...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (suppl), p.185-185 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近演者らは, 上矢状洞中三分の一の部分に附着したparasagittal meningiomaの症例に対し, 腫瘍の全摘出と自家静脈移植による上矢状洞形成ならびに橋静脈の再建術を行ったので, その術式を供覧する. 症例は36才の女性で, 入院1年前より数回の意識喪失発作があり, 2ヵ月前より左上肢に始まるジャクソン型痙攣発作が出現するようになった. 入院時には左側不全麻痺, 左側腱反射の亢進を認めた. 右CAG正面像ではparasagittalに腫瘍陰影を認め, 側面像では腫瘍は上矢状洞中三分の一の部分に附着しているごとくであった. 静脈相ではRolandic veinは腫瘍により後方へ圧排されており, 上矢状洞には腫瘍の浸潤による狭窄像を認めるがそのpatencyは保たれていた. 半坐位とし, 頭部を中等度前屈せしめ, 両側前頭頭頂開頭を行った. 上矢状洞附着部を残し, まず腫瘍を脳実質より剥離, 翻転した. 上矢状洞の右外側壁と上壁, さらにRolandic veinの後壁に腫瘍の浸潤を認めた. 上矢状洞を開放し, 腫瘍附着部の上矢状洞壁を切除しつつ, その断端部にsaphenous veinを縫合することによりpatch graftを行った. 腫瘍の浸潤したRolandic veinの上矢状洞合流部をも切除し, その欠損部にsaphenous veinのpatch graftを行った. 全摘出した腫瘍の重量は45gで, 組織診断はmeningotheliomatous meningiomaであった. 術中の出血量は6,800mlであった. 術1ヵ月後の右CAG静脈相では, Rolandic vein, 上矢状洞は開存しており, 良好な血流が保たれていた. 術後経過は良好であり, 左側不全麻痺は完全に消失した. |
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ISSN: | 0470-8105 |