実験的脳梗塞における脳浮腫の発現とS-100蛋白質との関連について

目的・方法:S-100蛋白質は神経組織に特異的で, 主としてglia細胞に存在すると考えられているが, その機能は不明である. 今回我々は, rat右内頸動脈より微小炭素粒子(直径35μ, 0.14mg/0.07ml血漿)の注入により作製した実験的梗塞脳における生化学的・組織学的変化とS-100蛋白質量の変化との関連を検索し, S-100蛋白質の機能を推測する上で興味ある結果を得たので報告した. 結果:1)血漿0.07ml注入によるコントロール群では, 脳の生化学的・組織学的変化はみとめられなかった. 2)梗塞作成8時間後に脳内S-100蛋白質量は対照値の約40%に低下したが, 24時間後には...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (suppl), p.74-75
Hauptverfasser: 古田知久, 守屋芳夫, 原田泰弘, 岸川秀実, 田渕和雄, 西本詮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的・方法:S-100蛋白質は神経組織に特異的で, 主としてglia細胞に存在すると考えられているが, その機能は不明である. 今回我々は, rat右内頸動脈より微小炭素粒子(直径35μ, 0.14mg/0.07ml血漿)の注入により作製した実験的梗塞脳における生化学的・組織学的変化とS-100蛋白質量の変化との関連を検索し, S-100蛋白質の機能を推測する上で興味ある結果を得たので報告した. 結果:1)血漿0.07ml注入によるコントロール群では, 脳の生化学的・組織学的変化はみとめられなかった. 2)梗塞作成8時間後に脳内S-100蛋白質量は対照値の約40%に低下したが, 24時間後にはほぼ対照値に復した. しかし, 水溶性蛋白質量は, 梗塞作製後も有意の変動を示さなかった. 3)組織学的には, 梗塞作製後約10時間目にもっとも著明な脳浮腫がみとめられた.
ISSN:0470-8105