ヒト神経膠種より樹立したGFAP産生細胞株(KNS-42)およびS-100蛋白産生細胞株(KG-1-C)
ヒト神経膠腫の培養についての報告は多いが, ダリア系であることが証明された長期継代培養細胞の報告はきわめて稀である. 一方, glial fibrillary acidic protcin(GFAP)およびS-100 Proteinはダリア細胞に特異的な蛋白であり, ダリア細胞の同定にもっとも信頼できる指標である. ヒト神経膠腫を長期継代培養した2例について, GFAP, S-100蛋白を指標としてダリア系であることを証明し, かつ培養細胞の生物学的特性を調べた. 材料・方法:第1例, 16才男子の右前頭・頭頂葉の神経膠芽腺, および第2例, 13才男子, 右頭頂葉混合神経膠腫から得た手術材料...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (suppl), p.68-69 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ヒト神経膠腫の培養についての報告は多いが, ダリア系であることが証明された長期継代培養細胞の報告はきわめて稀である. 一方, glial fibrillary acidic protcin(GFAP)およびS-100 Proteinはダリア細胞に特異的な蛋白であり, ダリア細胞の同定にもっとも信頼できる指標である. ヒト神経膠腫を長期継代培養した2例について, GFAP, S-100蛋白を指標としてダリア系であることを証明し, かつ培養細胞の生物学的特性を調べた. 材料・方法:第1例, 16才男子の右前頭・頭頂葉の神経膠芽腺, および第2例, 13才男子, 右頭頂葉混合神経膠腫から得た手術材料を用いた. Eagles MEMに20%ウシ胎児血清を加え, 炭酸ガス培養器で培養した. GFAPは細胞ホモジェネート上清とウサギ抗ウシGFAP抗体を用いてOuchterlony法にて検出した. またPAP酵素抗体法で細胞内局在を調べた. S-100蛋白は同様に細胞ホモジェネート上清とウサギ抗ウシS-100蛋白抗体を用い, Ouchterlony法にて調べた, S-100蛋白の細胞局在はPAP酵素抗体法にて検索した. 結果:第1例は7年間継代培養し, KNS-42と命名した. 第2例は2年半継代培養し, KG-1-Cと命名した. KNS-42はOuchterlony法で抗GFAP抗体に対して精製GFAPと共通の沈降線を描き, PAP酵素抗体法で胞体に線維状の明らかな蛍光を認めた. また, KG-1-Cは同様に抗S-100蛋白抗体に対して精製ウシS-100蛋白と共通の沈降線を認めた. 酵素抗体法で偏在した核をもつ細胞の胞体に陽性所見を得た. 結論:この2細胞株はダリア由来であることが証明され, かつ安定した増殖を示す継代培養株である. 多くの研究者に利用に供することが可能である. |
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ISSN: | 0470-8105 |