並進加速度衝撃による霊長類の衝撃耐性に関する実験的研究

脳損傷の発生機序ならびに脳の衝撃耐性限界を追求するために, 著者らは霊長類の衝撃耐性に関する実験的研究を行ってきた. 益澤18)らによれば, サルの並進加速度衝撃実験においてすべてのサルにconcussionを起こさせることはできたが, 脳挫傷, 硬膜下血腫, 脳内血腫など死因に結びつく脳損傷を認めえなかったと報告している. そしてさらに, Gurdjian14)らのいう“shock-like state”との関連について述べ, fatal concussionにおける循環不全の役割りを示唆している. 一方, Holburn16), Ommaya22)23)らは, 回転加速度衝撃による, sh...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (8), p.781-791
Hauptverfasser: 河野宏, 中村紀夫, 平川公義, 益澤秀明, 関野宏明, 杉森忠貫, 神田龍一, 杉浦誠, 三井香児, 坂井春男, 森伸彦, 佐野圭司, 喜多村孝一, 松野正徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳損傷の発生機序ならびに脳の衝撃耐性限界を追求するために, 著者らは霊長類の衝撃耐性に関する実験的研究を行ってきた. 益澤18)らによれば, サルの並進加速度衝撃実験においてすべてのサルにconcussionを起こさせることはできたが, 脳挫傷, 硬膜下血腫, 脳内血腫など死因に結びつく脳損傷を認めえなかったと報告している. そしてさらに, Gurdjian14)らのいう“shock-like state”との関連について述べ, fatal concussionにおける循環不全の役割りを示唆している. 一方, Holburn16), Ommaya22)23)らは, 回転加速度衝撃による, shear-strainが, cerebral concussionおよびbrain contusionに対してより重要な意味を持つとしている. 著者らは, 並進加速度衝撃による追加実験を行い, 益澤らの仮説を裏付ける結果を得たので, 病理学的検索の結果を中心にbrain concussionの発生メカニズムならびに死亡原因について考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105