破裂脳動脈瘤急性期手術後の水頭症

破裂脳動脈瘤急性期(最終出血発作より2週間)の患者に対し, 我々は可及的早期手術を原則として行ってきた. さらに手術時, 脳室および脳底槽にシリコンチューブを留置し, 術後髄液ドレナージによりvasospasmおよび頭蓋内圧(ICP)亢進に対処してきた30). クモ膜下出血(SAH)急性期に患者のmortalityおよびmorbidityに関与する種々の病態, すなわち脳のanoxic-ischemic damage 1), 脳内血腫, 急性水頭症およびvasospasm等を経て, 慢性期に移行する段階でmorbidityを決定するものとして, 正常圧水頭症(NPH)の発生がある. しかし従来...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (6), p.529-535
Hauptverfasser: 茂野卓, 斉藤勇, 有竹康一, 金子美紀子, 美馬達夫, 佐々木勝, 長島正, 渡辺英寿, 野口信, 谷島健生, 佐野圭司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:破裂脳動脈瘤急性期(最終出血発作より2週間)の患者に対し, 我々は可及的早期手術を原則として行ってきた. さらに手術時, 脳室および脳底槽にシリコンチューブを留置し, 術後髄液ドレナージによりvasospasmおよび頭蓋内圧(ICP)亢進に対処してきた30). クモ膜下出血(SAH)急性期に患者のmortalityおよびmorbidityに関与する種々の病態, すなわち脳のanoxic-ischemic damage 1), 脳内血腫, 急性水頭症およびvasospasm等を経て, 慢性期に移行する段階でmorbidityを決定するものとして, 正常圧水頭症(NPH)の発生がある. しかし従来より, NPHの診断およびシャント手術の適応に関しては論争が多い. これに対し我々は, 頭蓋内圧連続測定を経時的に行うことにより, ICP patternがSAH後3週頃からNPH群と非NPH群とで異なってくることを知り, NPHの予知および診断に有用であることを知った. また早期手術群は晩期手術に比しやや高率にNPHが発生することがわかり, その発生の機序, シャント手術の適応およびICP測定の意義について論じていきたい.
ISSN:0470-8105