特発性内頸動脈海綿静脈洞瘻の病態生理と治療方針

頸動脈海綿静脈洞瘻(以下CCFと略)は従来外傷性と特発性に分類され5)25), 特発性CCFは外傷性CCFに比べ頻度が低く, 比較的稀な疾患であるとされてきた1)2)7)10)11)12)13)14)15)16)20)23)29)30). しかし近年に至って特発性CCFの大部分は外傷性CCFとは異なった病態を有し, 後頭蓋窩硬膜動静脈奇形とともに硬膜動静脈奇形の一型とみなされる疾患であり, したがってその治療法に関しても外傷性CCFとは異なった問題が存在することが明らかとなった. さらにその頻度も従来考えられていたほど低くないことがわかってきたが, 本症に関しその病態および治療法を総合的に検討...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1978, Vol.18 (4), p.309-321
Hauptverfasser: 貫井英明, 長屋孝雄, 田中壮佶, 川上雅正, 西松輝高, 石川誠, 野尻健, 宮城修, 小松俊一, 川淵純一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:頸動脈海綿静脈洞瘻(以下CCFと略)は従来外傷性と特発性に分類され5)25), 特発性CCFは外傷性CCFに比べ頻度が低く, 比較的稀な疾患であるとされてきた1)2)7)10)11)12)13)14)15)16)20)23)29)30). しかし近年に至って特発性CCFの大部分は外傷性CCFとは異なった病態を有し, 後頭蓋窩硬膜動静脈奇形とともに硬膜動静脈奇形の一型とみなされる疾患であり, したがってその治療法に関しても外傷性CCFとは異なった問題が存在することが明らかとなった. さらにその頻度も従来考えられていたほど低くないことがわかってきたが, 本症に関しその病態および治療法を総合的に検討した報告はいまだに少ない15)24). そこで我々は現在までに群馬大学脳神経外科で経験した特発性CCF症例につき, 長期追跡調査結果を含めた臨床所見, 脳血管撮影所見および脳循環動態検査結果を分析し, 本症を病態生理学的に検討するとともに, その結果にもとづいて本症の治療方針に関しても若干の考察を行った.
ISSN:0470-8105