頭蓋内病変の病態生理学的研究

CTスキャン(CTs)を形態解剖学的に, 脳波のδ波の等高線図(CTe)を機能生理学的指標とし, 頭蓋内病変(脳腫瘍32例, 脳血管障害35例)を中心に, 臨床症状と対応して検討を加えた. 1)CTsでperifopcal edemaの強いものほど, 多形性δ波のCTeは局在を中心に, 多相性漸減像を示し, 等価電位の比率は大であった. しかも, 反対半球にもその拡がり像を示した. CTsの脳室の変形, 偏位の程度とほぼ一致し, glioblastoma, metastatic, meningiomaの順に著明であった. 2)上記のedemaに対するdexaの影響はCTeに著明な変動を示し,...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1977, Vol.17 (suppl), p.98-98
Hauptverfasser: 松岡成明, 新垣良治, 沼口浩太郎, 溝口強美, 中垣博之, 朝長正道, 岳野圭明, 上野照剛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:CTスキャン(CTs)を形態解剖学的に, 脳波のδ波の等高線図(CTe)を機能生理学的指標とし, 頭蓋内病変(脳腫瘍32例, 脳血管障害35例)を中心に, 臨床症状と対応して検討を加えた. 1)CTsでperifopcal edemaの強いものほど, 多形性δ波のCTeは局在を中心に, 多相性漸減像を示し, 等価電位の比率は大であった. しかも, 反対半球にもその拡がり像を示した. CTsの脳室の変形, 偏位の程度とほぼ一致し, glioblastoma, metastatic, meningiomaの順に著明であった. 2)上記のedemaに対するdexaの影響はCTeに著明な変動を示し, 20分後により限局した病巣像を示したが, CTsではまったく変動をみなかった. 3)両側前頭律動徐波(FMD)は視床, 小脳腫瘍の外に, CTsで視床と明らかに関係のない, 大脳皮質下腫瘍でもみられた. 4)脳血管障害例で, CTsのlow densityを5型に分類し, CTeの焦点とlow densityの部位とほぼ一致した. 脳腫瘍群と異なる点は, CTeの限局性はCTsで病巣側の脳室の変形拡大を示した. この事実は腫瘍群では陳旧性ジストマ症例, あるいは腫瘍術後例に多くみられた. 5)神経学的局在症状を示すにかかわらず, CTsは正常であった血管病変で, CTeでは明らかな局在を示し, さらにHVTで著明な例もあった. 6)脳幹部, 後頭蓋窩腫瘍例ではCTeの面で, 今後検討すべき面が残されている.
ISSN:0470-8105