CT-scanにおける頭蓋内疾患の定量自動診断化の研究

CT-scanにより得られるデータは, 仮想pixel内の物質のX線吸収係数値と位置の情報を有している. 頭蓋内に存在する物質は限られており, このX線吸収値および位置情報より病変部分や正常脳構造などが判読される. 従来はテレビモニターに画像として表出するかprint-outして検討することが主体であったが, これらのdigital量をcomputerよりさらに行い, 疾患の定量自動診断を試みた. 今回は, データの処理を頭蓋内全データ, 左右脳半球, 脳表(10画表, 1.9cm)で行い, 各吸収係数値, histogramのpattern, さらに脊髄液の量, 頭蓋容積比などにより, 脳萎...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1977, Vol.17 (suppl), p.89-89
Hauptverfasser: 上田裕一, 永井政勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:CT-scanにより得られるデータは, 仮想pixel内の物質のX線吸収係数値と位置の情報を有している. 頭蓋内に存在する物質は限られており, このX線吸収値および位置情報より病変部分や正常脳構造などが判読される. 従来はテレビモニターに画像として表出するかprint-outして検討することが主体であったが, これらのdigital量をcomputerよりさらに行い, 疾患の定量自動診断を試みた. 今回は, データの処理を頭蓋内全データ, 左右脳半球, 脳表(10画表, 1.9cm)で行い, 各吸収係数値, histogramのpattern, さらに脊髄液の量, 頭蓋容積比などにより, 脳萎縮, 水頭症の定量自動診断を行った. 頭蓋内においては, 水(脊髄液)は, 1000numbcrで5~7の吸収係数値となっており, 頭蓋骨によるshadow effectを考慮する必要がある. 巨大水頭症で認められ, 実験的に確認した. 吸収係数値15以下を水とすると0-Mline5cm(83.9%), 6cm(81.8%), 7cm(71.3%), 8cm(60.9%), 9cm(58.7%)と実際の水の量とのひらきが出る. 脳表のデータについては, この傾向がさらに強く, 頭蓋内第1pixel層では水の吸収係数値は50~40で, 以下指数関数的に減少し, 第10層近くで5~7となる. 脳実質は, それぞれ63, 49, 46, 43と減弱し, 第10層では34となる. 以上のように頭蓋内の水の量を求めるとき, ある吸収係数値以下を水とするには, 種々の検討と実験が必要とされる. 脊髄液の量, 頭蓋内容積比は連続的であり, 異常値は臨床症状を加味して求め論じる予定である. また, 左右脳半球別々に収集したデータより病変のlatera1ityについても論及する.
ISSN:0470-8105