外傷性頸髄損傷
外傷性頸髄損傷は重篤な四肢麻痺を呈し, きわめて予後不良であるがその治療はまだ確立されていない. 私どもは主として保存的療法を行った27例を経験したので報告する. 1)6例はC_4 髄節以上の高位損傷であり, X線所見で歯状突起骨折と環軸椎後方脱臼および軸椎骨折と環軸椎前方脱臼が1例ずつ, hangmans fiacturc2例, C_3/4 の前方脱臼2例を認めた. 環軸椎損傷は直接の剪断力に, 他は過度の伸展や屈曲によると推察された. 2)21例はC_5 髄節以下の低位損傷で, C_5 ,C_8 の損傷がもっとも多く14例で, 3例にtear drop fracturcと前方脱臼, 5例に...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1977, Vol.17 (suppl), p.85-85 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 外傷性頸髄損傷は重篤な四肢麻痺を呈し, きわめて予後不良であるがその治療はまだ確立されていない. 私どもは主として保存的療法を行った27例を経験したので報告する. 1)6例はC_4 髄節以上の高位損傷であり, X線所見で歯状突起骨折と環軸椎後方脱臼および軸椎骨折と環軸椎前方脱臼が1例ずつ, hangmans fiacturc2例, C_3/4 の前方脱臼2例を認めた. 環軸椎損傷は直接の剪断力に, 他は過度の伸展や屈曲によると推察された. 2)21例はC_5 髄節以下の低位損傷で, C_5 ,C_8 の損傷がもっとも多く14例で, 3例にtear drop fracturcと前方脱臼, 5例に前方脱臼, 1例に圧迫骨折を認めた. C_7 髄節以下の損傷は7例でC_6 とC_7 の圧迫骨折と前方脱臼がそれぞれ1例であった. 圧迫骨折は頚椎の長軸方向の外力, tear drop fiactumや前方脱臼は過度の伸展や屈曲による損傷と推定された. 高位損傷4例に完全, 1例に不完全横断症状を, 1例に半側横断症状を認めた. 治療は原則としてCrutchfield tongsによる整復固定とsteroidや浸透圧利尿剤投与を行った. Hangmans fracture 1例と前方脱臼2例はCrutchfield tongsで整復し予後は良好であった. 24時間で回復の徴候のない例は予後不良であった. 脊椎管狭窄のある1例の半側横断では椎弓切除で良好な結果を得た. Central cord lesionや半側横断損傷は予後佳良であった. 結語:頚髄損傷の予後は(1)損傷部位, (2)神経症状の24時間以内の回復, (3)付随する頸椎損傷の程度により予測される. 治療は原則としてCrutch field tongsによる索引固定と, steroidや浸透圧利尿剤の投与を行い, 24時間以内に症状の回復のないもの, 症状が進行性に悪化するものにはair myelographyを行いcomplete blockを認めた場合外科的治療を行う方針である. |
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ISSN: | 0470-8105 |