後頭蓋窩硬膜動静脈奇形の病態生理と治療

後頭蓋窩硬膜動静脈奇形は内外頸動脈および椎骨動脈などの硬膜枝を流入動脈とし, 横静脈洞あるいはS状静脈洞を主な導出静脈とする血管奇形である. 近年本症は, 特発性内頸動脈海綿静脈洞瘻とともに硬膜動静脈奇形の一型とみなされるようになり, 本邦でも本症に関する報告が散見される. しかし現在でも報告された症例数は比較的少なく, またその病態および治療法に関しては必ずしも意見の一致をみておらず, 様々な興味深い問題が存在する. そこで我々は現在までに経験した後頭蓋窩硬膜動静脈奇形症例につき, 臨床症候, 脳血管撮影所見, 脳循環動態検査, 手術所見に長期追跡調査結果を加え, 本症を病態生理学的に検討す...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1977, Vol.17 (5), p.425-433
Hauptverfasser: 貫井英明, 長屋孝雄, 田中壮佶, 川上雅正, 西松輝高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:後頭蓋窩硬膜動静脈奇形は内外頸動脈および椎骨動脈などの硬膜枝を流入動脈とし, 横静脈洞あるいはS状静脈洞を主な導出静脈とする血管奇形である. 近年本症は, 特発性内頸動脈海綿静脈洞瘻とともに硬膜動静脈奇形の一型とみなされるようになり, 本邦でも本症に関する報告が散見される. しかし現在でも報告された症例数は比較的少なく, またその病態および治療法に関しては必ずしも意見の一致をみておらず, 様々な興味深い問題が存在する. そこで我々は現在までに経験した後頭蓋窩硬膜動静脈奇形症例につき, 臨床症候, 脳血管撮影所見, 脳循環動態検査, 手術所見に長期追跡調査結果を加え, 本症を病態生理学的に検討するとともに, その結果に基づき本症の治療方針に関しても若干の検討を試みた.
ISSN:0470-8105