前交通動脈瘤手術後の内分泌機能

視床下部は, 正中隆起を中心に豊富に存在する視床下部ホルモンによって, 下垂体前葉機能をコントロールしている. この部は, 脳動脈瘤破裂により直接破壊される場合もあるが, 多数の小さな出血性または硬塞性病変も高頻度で発生する4)12)13)20). 特に前交通動脈瘤破裂後では, これらの病変は視床下部前半部に好発しやすく, さらに循環障害なども加わって視床下部の機能障害を生じ, 種々の内分泌機能異常が発生しうることは容易に推察される. しかしながら, 脳動脈瘤破裂後の下垂体前葉機能障害の発生状況についての総合的研究はきわめて少ない12)17)19). そこで我々は, 手術後比較的早期から晩期に...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1977, Vol.17 (3), p.209-217
Hauptverfasser: 桑山明夫, 岡田力, 高野橋正好, 吉田純, 杉田虔一郎, 永井肇, 景山直樹, 新谷彬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:視床下部は, 正中隆起を中心に豊富に存在する視床下部ホルモンによって, 下垂体前葉機能をコントロールしている. この部は, 脳動脈瘤破裂により直接破壊される場合もあるが, 多数の小さな出血性または硬塞性病変も高頻度で発生する4)12)13)20). 特に前交通動脈瘤破裂後では, これらの病変は視床下部前半部に好発しやすく, さらに循環障害なども加わって視床下部の機能障害を生じ, 種々の内分泌機能異常が発生しうることは容易に推察される. しかしながら, 脳動脈瘤破裂後の下垂体前葉機能障害の発生状況についての総合的研究はきわめて少ない12)17)19). そこで我々は, 手術後比較的早期から晩期にわたる前交通動脈瘤症例に対し, 各種下垂体前葉機能検査を施行し, 脳動脈瘤破裂後の重症度, 時間的経過, 手術浸襲などとの相関につき検討したので, 報告する.
ISSN:0470-8105