錐体外路系疾患における髄液中mono-amine代謝産物濃度の変動について
中枢神経系における神経伝達物質dopamineおよびserotoninの最終代謝産物であるhomovanillic acid(HVA), および5-hydroxyindole acetic acid(5-HIAA)の髄液中濃度はdopamineおよびserotonin作動性ニューロンの機能的代謝活動の一面を反映しているとみなされている. 我々は, 各種の錐体外路系疾患における髄液中HVAおよび5-HIAA濃度を測定したのでここに報告する. 対象:東京女子医大脳神経センター不髄意運動外来にて診断し治療を行っている21例で, 内訳は, chorea様運動4例, 痙性斜頸4例, その他の頸部振戦1例...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1976, Vol.16 (suppl), p.79-79 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 中枢神経系における神経伝達物質dopamineおよびserotoninの最終代謝産物であるhomovanillic acid(HVA), および5-hydroxyindole acetic acid(5-HIAA)の髄液中濃度はdopamineおよびserotonin作動性ニューロンの機能的代謝活動の一面を反映しているとみなされている. 我々は, 各種の錐体外路系疾患における髄液中HVAおよび5-HIAA濃度を測定したのでここに報告する. 対象:東京女子医大脳神経センター不髄意運動外来にて診断し治療を行っている21例で, 内訳は, chorea様運動4例, 痙性斜頸4例, その他の頸部振戦1例, Parkinsonism7列, その他のresting tremor3例, hemiballismus1例, dvstonia musculorum defbrmans1例である. 方法:腰椎穿刺にて採取した水様透明な髄液を用い, 螢光定量法にて測定した. 結果:DOPA, dopamineは非常に微量で, ほとんどがtrace(5ng/ml以下)であった. Choreaの群4例では, HVAは19~118(平均72.8)ng/ml, 5-HIAAは1例で53ng/mlであった. 痙性斜頸の群5例では, HVAは23~72(平均45.4)ng/ml, 5-HIAAは7~22(平均14.5)ng/mlであった. Parkinsonismの群10例では, HVAは15~147(平均56.8)ng/ml, 5-HIAAはtrace~84(平均41.1)ng/mlであった. 結語:治療の立場から一般に不随意運動は, L-DOPAが奏効するParkinsonismの系統とhaloperidolが奏効するchoreaの系統の2つの群に大別することができる. 今回の我々の結果から両者を比較すると, 前者ではHVA, 5-HIAAともに低値を示す傾向にあり, 後者では両者ともに比較的高値を示す傾向にある. 痙性斜頸では, 今回の結果からははっきりした傾向はつかめず今後の課題である. 定位脳手術におけるtarget pointの電気刺激によるヒト第3脳室内髄液中HVAおよび5-HIAA濃度の経時的変化についても述べた. |
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ISSN: | 0470-8105 |