髄液搏動波の継時的観察
髄液動態の研究の一環として, ventricular drainage施行下の患者の脳室内髄液榑動波の継時的観察を行った. Intraventricular catheterにextension tubeを介し, statham p37 pressure transducerを直結し, ここから得られる髄液搏動波をintraventricular rhythm(IVR)とみなし, ポリグラフ的な観察を行った. 従来よりIVRは脈榑に一致した単純な波型として理解されているが, この方法でみると意外に複雑な鋸歯状波としてみられた. 一つの鋸歯状波は4~5の構成波が同定できる. その立ち上がりの基点...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1976, Vol.16 (suppl), p.37-37 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 髄液動態の研究の一環として, ventricular drainage施行下の患者の脳室内髄液榑動波の継時的観察を行った. Intraventricular catheterにextension tubeを介し, statham p37 pressure transducerを直結し, ここから得られる髄液搏動波をintraventricular rhythm(IVR)とみなし, ポリグラフ的な観察を行った. 従来よりIVRは脈榑に一致した単純な波型として理解されているが, この方法でみると意外に複雑な鋸歯状波としてみられた. 一つの鋸歯状波は4~5の構成波が同定できる. その立ち上がりの基点を0とし, 今回はとくにp1, p2, p3の各構成波のheightおよびlatency等についての検討を, 生理的状態での変化あるいは病態との関係について分析を試みた. 麻酔よりの覚醒過程におけるIVRの検討を行ったが, 覚醒につれて, p1, p2, p3のheightの増大, p1, p2のheightの逆転および呼吸性変動の増加がみられた. Thiamylal sodium injectionを行ったが, 注入後全般的な鋸歯状波の変形, p1, p2, p3heightの減少がみられ, ICPは不変または一時的に25~30mmH_2 Oの降下をみた. Mannitol投与後およびshunt有効例ではp1, P2, p3 heightの増大, p1, p2 heightの逆転および呼吸性変動の増大がみられ, とくにこれら三つの変化に注目した. 頸動脈波(CAR)との同時記録を行い, IVRとの相関性について検討したところ, IVRはCARに16msecのをdelayもち, IVRのp1はCARのP, P2はT・P3はDNにfollowする波に相当することが判明した. CARの理論的背景をもとにその相関性を論じた. しかしながらp1, p2 heightの逆転の現象が起こる背景については今後症例を重ね検討を加える必要がある. 以上髄液榑動波を波型分析の立場より行い, これらの検討よりp1, p2, p3のheightの増大, pl, p2のheightの逆転および呼吸性変動の増大は好ましいCSF dynamicsを示唆するものと考え報告した. |
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ISSN: | 0470-8105 |