頭蓋内圧亢進およびクモ膜下出血時における交感神経系の反応について
高度な頭蓋内圧亢進に際して, 交感神経系の興奮が起こることは, 1901年, Cushing1)が全身血圧の上昇反応を詳細に報告して以来よく知られている. 一方,交感神経系の緊張状態の変化が頭蓋内圧にどのように反映するかはいまだ明らかではない. 近年, 脳実質外のみならず,脳実質内の血管においても, 豊富な交感神経線維の存在することが証明されており12), 脳循環あるいは脳代謝における, その機能的役割については再びみなおされつつある. したがって, 頭蓋内圧亢進の際の種々の病態の発現に神経性因子がどのような役割を果たしているかを知ることは, 従来, 機械的あるいは代謝的側面のみが強調されてき...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1976, Vol.16 (6), p.505-513 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 高度な頭蓋内圧亢進に際して, 交感神経系の興奮が起こることは, 1901年, Cushing1)が全身血圧の上昇反応を詳細に報告して以来よく知られている. 一方,交感神経系の緊張状態の変化が頭蓋内圧にどのように反映するかはいまだ明らかではない. 近年, 脳実質外のみならず,脳実質内の血管においても, 豊富な交感神経線維の存在することが証明されており12), 脳循環あるいは脳代謝における, その機能的役割については再びみなおされつつある. したがって, 頭蓋内圧亢進の際の種々の病態の発現に神経性因子がどのような役割を果たしているかを知ることは, 従来, 機械的あるいは代謝的側面のみが強調されてきた頭蓋内圧亢進の病態の研究に新たな側面から寄与するものと思われる. この意味から, 中枢性血管運動調節機構の活動の指標として, 現在もっとも適当と考えられている腎神経17)の発射を記録し, 頭蓋内圧亢進時あるいはクモ膜下出血時における交感神経系の反応を直接観察し, 各種病態における神経性因子の役割について検討を試みた. |
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ISSN: | 0470-8105 |