低酸素状態における脳アデニンヌクレオチドの変化に関する実験的研究

従来臨床面で低酸素状態(hypoxia)における脳組織の障害は非常に短時間に起るといわれている. われわれは脳組織のエネルギー代謝の面よりhypoxiaと脳の障害の関係を明らかにする目的で体重180~200gのウィスター系雄ラットを用い, N_2 ガス, 一定比のO_2 -N_2 混合ガスを人工呼吸器で吸入させアノキシア, hypoxiaの状態を作製し, この状態での脳, 対照としての肝組織のATP, ADP, AMPおよびAtkinsonの提唱したenergy charge(以下EC)を経時的に測定し, また室内空気吸入にきりかえることによりhypoxiaからの回復の過程を調べ, 得た結果を...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1975, Vol.15 (suppl), p.96-96
Hauptverfasser: 井口孝彦, 島健, 石川進, 魚住徹, 実森宏, 川崎尚, 梶川博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来臨床面で低酸素状態(hypoxia)における脳組織の障害は非常に短時間に起るといわれている. われわれは脳組織のエネルギー代謝の面よりhypoxiaと脳の障害の関係を明らかにする目的で体重180~200gのウィスター系雄ラットを用い, N_2 ガス, 一定比のO_2 -N_2 混合ガスを人工呼吸器で吸入させアノキシア, hypoxiaの状態を作製し, この状態での脳, 対照としての肝組織のATP, ADP, AMPおよびAtkinsonの提唱したenergy charge(以下EC)を経時的に測定し, また室内空気吸入にきりかえることによりhypoxiaからの回復の過程を調べ, 得た結果を報告する. 正常代謝状態では脳および肝臓のアデニンヌクレオチド, ECは表のごとくである. 100%N_2 ガス吸入によるアノキシアでは脳と肝臓においてATPの減少速度, AMPの増加速度は異なり, したがってECの低下も脳は肝臓に比し速い.
ISSN:0470-8105