5-fluorocytosineによる真菌性脳膿瘍の外科的治療

近年中枢神経系感染症における真菌症は増加の傾向を示し, この治療が困難であるため憂慮されている. 我々は非常に稀な黒色分芽菌(黒カビ)による脳膿瘍とaspergillus fumigatusによる肉芽腫の2症例を経験し, 開頭術による病変部の摘出後, 新しい抗菌剤である5-fluorocytosine (5-FC)による治療を行ない, 経時的に血中及び髄液中の濃度を測定した. (症例1)36才の主婦. 慢性気管支炎で抗生物質の投与を受けていたが傾眠状態で入院. コーチゾン使用後, 意識の低下が著しくなったので右頭頂開頭術を行ない, 皮質下の膿瘍を摘出培養によりhormodendrum pedr...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1975, Vol.15 (suppl), p.75-75
Hauptverfasser: 森山忠良, 小野博久, 森和夫, 寺本成美, 北島陽夫, 松本慶蔵, 宇塚良夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年中枢神経系感染症における真菌症は増加の傾向を示し, この治療が困難であるため憂慮されている. 我々は非常に稀な黒色分芽菌(黒カビ)による脳膿瘍とaspergillus fumigatusによる肉芽腫の2症例を経験し, 開頭術による病変部の摘出後, 新しい抗菌剤である5-fluorocytosine (5-FC)による治療を行ない, 経時的に血中及び髄液中の濃度を測定した. (症例1)36才の主婦. 慢性気管支炎で抗生物質の投与を受けていたが傾眠状態で入院. コーチゾン使用後, 意識の低下が著しくなったので右頭頂開頭術を行ない, 皮質下の膿瘍を摘出培養によりhormodendrum pedrosoi (Hpと略)と同定された. 5-FC200mg/kg/日の投与により3週間後の多種検体で培養陰性となったが気管支肺炎の悪化で死亡した. 解剖時脳幹部の小膿瘍から黒カビが培養された.
ISSN:0470-8105