病態生理学的にみた特発性頸動脈海綿静脈洞瘻の治療

特発性CCFは外傷性CCFと異なり, その病態および治療法に関しさまざまな興味深い問題が存在する. そこでわれわれは最近経験した特発性CCF 7例につき臨床的, 病態生理学的検討に追跡調査結果を加え, 本症の治療方針につき考察した. 年令は24~65才, 全例女性で, 臨床症候としては眼球突出を6例, 結膜充血およびbruitを5例, 外眼筋麻痺を4例, 視力障害を3例に認めた. 脳血管撮影は1例で両側頸動脈の4-vessel studyを施行し, 他は患側総頸動脈撮影のほか種々の組合せで血管撮影を行ない, subtraction法を用い検討したが, 4例は少なくとも患側内, 外頸動脈, 1例...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1975, Vol.15 (suppl), p.44-44
Hauptverfasser: 貫井英明, 長屋孝雄, 田中壮佶, 川上雅正, 西松輝高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:特発性CCFは外傷性CCFと異なり, その病態および治療法に関しさまざまな興味深い問題が存在する. そこでわれわれは最近経験した特発性CCF 7例につき臨床的, 病態生理学的検討に追跡調査結果を加え, 本症の治療方針につき考察した. 年令は24~65才, 全例女性で, 臨床症候としては眼球突出を6例, 結膜充血およびbruitを5例, 外眼筋麻痺を4例, 視力障害を3例に認めた. 脳血管撮影は1例で両側頸動脈の4-vessel studyを施行し, 他は患側総頸動脈撮影のほか種々の組合せで血管撮影を行ない, subtraction法を用い検討したが, 4例は少なくとも患側内, 外頸動脈, 1例では外頸動脈のみがCCF形成に関与し, 2例では内頸動脈が関与している以外不明である. 血管撮影上の動静脈短絡は小さいものが多く, 流出静脈は眼静脈, 錐体骨静脈洞が多かったが, 症例7では内頸動脈の血流はすべてCCFを介して短絡し, 両側性に広範な静脈の関与を認めた.
ISSN:0470-8105