頸部脊椎骨軟骨症の手術的治療
演者らの教室で行った頸部脊椎骨軟骨症の手術例は169例であるが, 主として脊髄症状例について, その手術法及び成績について述べた. 手術方法:Robinson-Smith, Clowardらの椎間板切除, 及び椎体前方固定術を主体とするが, 演者らは頸髄, 頸神経根部の除圧のために, 椎体の後棘などを積極的に切除している. 椎間板組織の遊離片が後縦靱帯と硬膜との間に脱出している症例を経験しているので, 後縦靱帯をも切除し, 可及的直視下に除圧を行っている. 前方固定術においても適応に限界があって, 椎弓切除術の有用性を再認識し, 最近は症例により両者の適応を選択している. 椎弓切除術に際しては...
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Zusammenfassung: | 演者らの教室で行った頸部脊椎骨軟骨症の手術例は169例であるが, 主として脊髄症状例について, その手術法及び成績について述べた. 手術方法:Robinson-Smith, Clowardらの椎間板切除, 及び椎体前方固定術を主体とするが, 演者らは頸髄, 頸神経根部の除圧のために, 椎体の後棘などを積極的に切除している. 椎間板組織の遊離片が後縦靱帯と硬膜との間に脱出している症例を経験しているので, 後縦靱帯をも切除し, 可及的直視下に除圧を行っている. 前方固定術においても適応に限界があって, 椎弓切除術の有用性を再認識し, 最近は症例により両者の適応を選択している. 椎弓切除術に際しては演者らの工夫した骨形成的椎管拡大術を行っており, 椎弓切除に際しては可及的同時性椎管腔開放が重要である. 手術成績:症状の改善は術直後から3週間以内にみられることが多く, 術後1年で症状はほぼ固定する. 前方固定術の成績は良以上は84%である. また最近の椎弓切除術の成績は良以上72%で, 以前の56%より向上している. 本症の脊髄症状例の手術成績は早期適切な手術により良好である. なお手術成績を左右する諸因子について述べた. 椎体前方固定術後のX線所見の推移:固定部位の非切除後棘は次第に吸収されるが, 2~3年を要するものが多い. 非固定椎間部では椎間異常可動性, 前棘及び後棘形成, 椎間板狭小などが2~3年後より多く認められるようになるが, これらによって症状が新たに発現した症例はきわめて少ない. 再発例は椎管腔狭小例で術後非固定椎間部に新たに発生, あるいは増悪した諸変化によることが多いので, 椎管腔狭小例では術後十分なる経過観察が必要と思われる. また, 固定椎間部の偽関節も多椎間固定例に, とくにRobinson法に多い傾向を認めている. 偽関節を示す症例の手術成績は必ずしも悪くない. |
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ISSN: | 0470-8105 |