脳血管閉塞症に対する頭蓋内外血管吻合術の予後について
頸部及び脳主幹動脈の閉塞症に対して, 最近microscope使用下にendarterectomyや頭蓋内外の血管の吻合が行われている. その成績の判定については困難性があり, 決定的な評価は難しい. われわれは脳波所見をこの目標とする試みを行った. 頸動脈または中大脳動脈閉塞症で著しい臨床症状を示したものの中, 脳血管撮影にて副血行の形成が貧弱かまたはほとんどみられないためmicroscope下に中大脳動脈と浅側頭動脈の吻合術を行った6症例を経験している(これら症例はすべてaphasia片側麻痺などを伴い臨床症状の改善をみとめなかったものである). これら症例の術前, 術後の神経症状の経過,...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 頸部及び脳主幹動脈の閉塞症に対して, 最近microscope使用下にendarterectomyや頭蓋内外の血管の吻合が行われている. その成績の判定については困難性があり, 決定的な評価は難しい. われわれは脳波所見をこの目標とする試みを行った. 頸動脈または中大脳動脈閉塞症で著しい臨床症状を示したものの中, 脳血管撮影にて副血行の形成が貧弱かまたはほとんどみられないためmicroscope下に中大脳動脈と浅側頭動脈の吻合術を行った6症例を経験している(これら症例はすべてaphasia片側麻痺などを伴い臨床症状の改善をみとめなかったものである). これら症例の術前, 術後の神経症状の経過, 脳血管像と反覆脳波検査の成績を比較検討した. 主な成績は次の如くである. 1)臨床症状の改善と脳波所見の改善とは併行しており, 臨床症状の改善に先行して脳波所見の改善がみられる. 2)術後数日以内の脳波検査で高振幅焦点性徐波のみられた症例に臨床的改善はみられなかった. 3)脳血管写にて吻合部の閉塞をみとめた症例では, 閉塞とほぼ同時に臨床症状は不変であるにもかかわらず脳波上焦点性徐波の著しい増強をみとめている. これら症例と頸動脈血栓除去術を行った症例との比較検討をも行った. |
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ISSN: | 0470-8105 |