末端肥大症に対する手術法の検討
末端肥大症の治療として, 最も確実な方法は定位的経鼻的下垂体凍結術と, 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術である. われわれが今迄に行った両手術法の結果を比較検討した. 凍結術を行った症例中, 術前, 術後の内分泌学的検討を加ええたものは9例で, 最長follow-up期間は6年である. ヒト成長ホルモン(HGH)値は20.0~288.0ng/mlである. 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術を行ったのは9例である. (2例Hirsch法, 7例Hardy法). 最長follow-up期間は4年である. 術前のHGH値は12.0~180.0ng/mlである. 術前の他の下垂体機能は両者共ほぼ正常である. HGH...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 末端肥大症の治療として, 最も確実な方法は定位的経鼻的下垂体凍結術と, 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術である. われわれが今迄に行った両手術法の結果を比較検討した. 凍結術を行った症例中, 術前, 術後の内分泌学的検討を加ええたものは9例で, 最長follow-up期間は6年である. ヒト成長ホルモン(HGH)値は20.0~288.0ng/mlである. 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術を行ったのは9例である. (2例Hirsch法, 7例Hardy法). 最長follow-up期間は4年である. 術前のHGH値は12.0~180.0ng/mlである. 術前の他の下垂体機能は両者共ほぼ正常である. HGH値の正常を10ng/ml以下と考えると, 凍結術では7例有効, 2例無効, 切除術では8例有効, 1例無効であり, 厳密な正常値を5ng/mlと考えると, 前者で有効3例, 後者で4例となり, 切除術の方が成績が良いといえる. HGH値の低下の速さは, 凍結術では緩徐であるのに対し, 切除術では, 術後早期に低下がみられる. 他の術後下垂体機能は, 凍結術で有効例7例中5例, 切除術で同じく8例中6例が正常値を保った. 合併症として, 何れも一過性であるが, 尿崩症が, 凍結術で4例, 切除術で2例認められ, 前者の方がやや多い. 切除術後髄膜炎が1例発生し, 凍結術従に1例, 3~4年後の再発があり, 切除術を行なったものがある. 以上の結果より, 末端肥大症に対する治療としては, Hardy法による切除術の方が, 凍結術によるよりも, より有効, かつ, 確実な結果が得られるものといえる. |
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ISSN: | 0470-8105 |