脳腫瘍細胞の電気生理学的諸性質とその診断への応用
脳腫瘍の種類並びに悪性度の検討は治療の面からも極めて重要な問題であり, 従来, 種々の試みがなされてきている. 私どもは, 細胞内超微小電極法を用いて培養された脳腫瘍細胞の電気的特性を測り, 腫瘍の同定, 並びに悪性度の判定を試みたので報告する. 方法:開頭術により得られた脳腫瘍組織を培養し, 得られた細胞に位相差顕微鏡下で先端口径0.5μ以下のガラス超微小電極を刺入し細胞膜の電気生理学的特性(膜電位, 膜抵抗, 整流性, 膜容量)をブリッジ回路, 増幅器刺激装置, オシロスコープ, XYレコーダー等を用いて計測した. 結果:(1)膜電位:平均値が-8~-12mVで細胞の種類及び悪性度による相...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 脳腫瘍の種類並びに悪性度の検討は治療の面からも極めて重要な問題であり, 従来, 種々の試みがなされてきている. 私どもは, 細胞内超微小電極法を用いて培養された脳腫瘍細胞の電気的特性を測り, 腫瘍の同定, 並びに悪性度の判定を試みたので報告する. 方法:開頭術により得られた脳腫瘍組織を培養し, 得られた細胞に位相差顕微鏡下で先端口径0.5μ以下のガラス超微小電極を刺入し細胞膜の電気生理学的特性(膜電位, 膜抵抗, 整流性, 膜容量)をブリッジ回路, 増幅器刺激装置, オシロスコープ, XYレコーダー等を用いて計測した. 結果:(1)膜電位:平均値が-8~-12mVで細胞の種類及び悪性度による相違は認められなかった. (2)膜抵抗:星状神経膠腫は1度~4度でそれぞれ平均1.0~1.2MΩでgradeによる差異は特に認められなかった. 正常神経膠細胞は1.45MΩ. 稀突起膠腫で5.11MΩ. 神経鞘腫は2.1MΩ. 髄膜腫は5.67MΩ. 嫌色素性下垂体腺腫は, 3.98MΩ. 線維芽細胞は, 0.95MΩであった. |
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ISSN: | 0470-8105 |