円偏光散乱を用いた悪性腫瘍の無染色・非侵襲診断

円偏光を生体組織に照射すると内部で散乱が生じ,偏光状態が徐々に緩和し,散乱光として外部に放出される.散乱光の偏光状態は散乱体の構造に関する情報,すなわち散乱体の大きさ,分布,異方性や密度などの情報をもたらす.散乱による偏光解消は波長と散乱粒子径に強く依存することから,波長を適切に選ぶことによって細胞核のサイズ変化,すなわち細胞核異型を検知することができ,これはがん検出やがん組織の分布評価などに応用が可能である.本論文では,この技術の物理的原理,実験とシミュレーションを通したがん検出の実証,さらに早期胃がんの深達度計測や早期スキルス胃がん検出などについて紹介する.また,本技術を実装するデバイス開...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2024/07/15, Vol.45(2), pp.119-126
1. Verfasser: 西沢, 望
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:円偏光を生体組織に照射すると内部で散乱が生じ,偏光状態が徐々に緩和し,散乱光として外部に放出される.散乱光の偏光状態は散乱体の構造に関する情報,すなわち散乱体の大きさ,分布,異方性や密度などの情報をもたらす.散乱による偏光解消は波長と散乱粒子径に強く依存することから,波長を適切に選ぶことによって細胞核のサイズ変化,すなわち細胞核異型を検知することができ,これはがん検出やがん組織の分布評価などに応用が可能である.本論文では,この技術の物理的原理,実験とシミュレーションを通したがん検出の実証,さらに早期胃がんの深達度計測や早期スキルス胃がん検出などについて紹介する.また,本技術を実装するデバイス開発として円偏光LEDについても紹介する.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-45_0021