「光免疫療法」の特集によせて
光免疫療法 (photoimmunotherapy : PIT) は, アメリカ国立衛生研究所 (National Institutes of Health : NIH) の小林久隆氏により開発され, がん細胞の表面に多く発現する上皮成長因子受容体 (epidermal growth factor receptor : EGFR) をターゲットとし, 抗EGFRモノクローナル抗体であるセツキシマブと690nmに最大吸収波長を有する光感受性物質IR700とを結合させた抗体-光感受性物質複合体を投与した後に, 波長690nmの赤色レーザー光を照射することでがん細胞のみを特異的に破壊するといった新し...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2024/07/15, Vol.45(2), pp.75-75 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 光免疫療法 (photoimmunotherapy : PIT) は, アメリカ国立衛生研究所 (National Institutes of Health : NIH) の小林久隆氏により開発され, がん細胞の表面に多く発現する上皮成長因子受容体 (epidermal growth factor receptor : EGFR) をターゲットとし, 抗EGFRモノクローナル抗体であるセツキシマブと690nmに最大吸収波長を有する光感受性物質IR700とを結合させた抗体-光感受性物質複合体を投与した後に, 波長690nmの赤色レーザー光を照射することでがん細胞のみを特異的に破壊するといった新しい機序の治療法です. 本邦では「頭頸部アルミノックス治療」として「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を対象に, 先駆け審査指定制度を活用して, 世界に先駆けて2021年1月より保険適用として臨床導入されてきました. 今回, 日本レーザー医学会誌では「光免疫療法」特集として取り上げ, その現状と課題, 工夫等について, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科医でこの分野のエキスパートとしてご活躍中の5人の先生方に執筆を依頼させて頂きました. 篠崎毅先生からは「光免疫治療の原理と臨床導入の過程」, 西川大介先生からは「光免疫治療の適応と実際」, 牧野琢丸先生からは「光免疫療法の有害事象」, 岡本伊作先生からは「頭頸部アルミノックス治療 (光免疫療法) によるQOLへの影響」, そして鈴木崇祥先生からは「光免疫療法における高精度赤色光照射の試み」について臨床経験を交えながら大変分かり易くご解説頂きました. ご多忙のところ快く執筆にご協力頂きました5人の先生方に深謝申し上げます. 本特集が日本レーザー医学会の更なる発展に繋がることを祈念しております. |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm.jslsm-45_0035 |