「歯と歯髄領域におけるレーザー・LED応用の特色ある研究」の特集によせて

今日, レーザーやLEDなどの各種光線が歯科臨床において様々に応用されています. 歯科領域における2大疾患はう蝕と歯周病ですが, 今回は, 歯に生ずる疾患や異常として, う蝕や歯髄病変に関連した光線応用について, 日本レーザー医学会誌で特集を組ませていただきました. 長年, 第一線で研究に携わり, 歯や歯髄分野における光線応用に精通している5人の先生方に, これまでの研究成果や最新の研究動向, および臨床応用の現状などについて, 解説をお願いしました. まず, 吉川一志先生には, 「光によるう蝕管理」として, レーザーによるう蝕の選択的除去の可能性, 光を用いたう蝕診断・う蝕予防, および口腔...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2022/07/15, Vol.43(2), pp.74-74
1. Verfasser: 青木, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今日, レーザーやLEDなどの各種光線が歯科臨床において様々に応用されています. 歯科領域における2大疾患はう蝕と歯周病ですが, 今回は, 歯に生ずる疾患や異常として, う蝕や歯髄病変に関連した光線応用について, 日本レーザー医学会誌で特集を組ませていただきました. 長年, 第一線で研究に携わり, 歯や歯髄分野における光線応用に精通している5人の先生方に, これまでの研究成果や最新の研究動向, および臨床応用の現状などについて, 解説をお願いしました. まず, 吉川一志先生には, 「光によるう蝕管理」として, レーザーによるう蝕の選択的除去の可能性, 光を用いたう蝕診断・う蝕予防, および口腔細菌の管理を含め, 光線を用いたう蝕への対応について多方面にご解説いただきました. 新海航一先生には, 「歯科用レーザーを用いた歯の切削によって生じる歯髄反応」として, 1990 年代中頃からう蝕治療への応用が可能となった, エルビウム系レーザーによる歯の切削時の歯髄反応, および高出力レーザー照射時に歯髄へ波及する低出力レーザー効果により修復象牙質の形成が促進される可能性についてご報告いただきました. 柿野聡子先生には, 「LEDを利用した歯髄血流測定による外傷歯の歯髄診断」として, 打撲などによって外傷を受けた歯の歯髄診断のために, 歯髄血流の有無を検出できる透過型光電脈波法(Transmitted-light plethysmography:TLP 法)に関する研究をご紹介いただきました. 渡辺聡先生には, 「Er:YAGレーザーによる根管洗浄の応用」として, 歯髄病変の際の根管治療における新しい根管洗浄法として最近開発された, レーザー照射によって物理的高速水流を生じさせる優れた根管清掃法であるLaser-activated irrigation(LAI)について詳説していただきました. 最後に, 興地隆史先生には, 「GaAlAs半導体レーザーの象牙質・歯髄複合体に対する硬組織形成促進作用」として, 半導体レーザー(810 nm)照射に対する歯髄応答と新生硬組織形成促進作用をお示しいただき, 半導体レーザーが歯髄保存療法の予知性向上に寄与する可能性についてご考察いただきました. 今回, このような素晴らしい総説をご執筆いただきました5名の先生方には, この場をお借りして厚く御礼を申し上げます. 本特集が, 歯科, 医科および光工学の分野の研究者, 臨床家, 企業の皆様にとって有用な情報となれば幸いです.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-43_0021