セラノスティクスを目指したポルフィリン誘導体の開発

高齢化社会が進む中,がんによる死亡数は年々増加傾向にある.そのため,完治可能な期間でのがん(早期がん)の発見と,高齢の患者に対応した非常に低侵襲性で非観血的ながん治療,またがん診断とがん治療を同時に行うことができるセラノスティクスの確立が求められている.本論文ではセラノスティクス薬剤の開発として,高いPDT効果と速い腫瘍集積性を有するP(Glc)2(ME)2にZnイオンを導入したZn-P(Glc)2(ME)2を合成した.このZn-P(Glc)2(ME)2に対し,非細胞系でのUV-vis測定と1O2生成試験,細胞系の実験としてHeLa細胞株を用いた薬剤取り込み試験,HeLa細胞株,RGK-1細胞...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2021/01/15, Vol.41(4), pp.394-401
1. Verfasser: 廣原, 志保
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢化社会が進む中,がんによる死亡数は年々増加傾向にある.そのため,完治可能な期間でのがん(早期がん)の発見と,高齢の患者に対応した非常に低侵襲性で非観血的ながん治療,またがん診断とがん治療を同時に行うことができるセラノスティクスの確立が求められている.本論文ではセラノスティクス薬剤の開発として,高いPDT効果と速い腫瘍集積性を有するP(Glc)2(ME)2にZnイオンを導入したZn-P(Glc)2(ME)2を合成した.このZn-P(Glc)2(ME)2に対し,非細胞系でのUV-vis測定と1O2生成試験,細胞系の実験としてHeLa細胞株を用いた薬剤取り込み試験,HeLa細胞株,RGK-1細胞株および悪性度の異なるヒト脳腫瘍株(U87,T98G)を用いた光細胞毒性試験を行いPDT薬剤としての性能を評価した.また,がん診断PET薬剤の検討として安定同位体元素Znを用いてP(Glc)2(ME)2へのZnイオン導入の最適化を行った.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-41_0022