光感受性物質とRadio-dynamic therapy (RDT)

「要旨」光感受性物質を利用した診断・治療はすでに臨床現場で広く利用されている. ポルフィリンに代表される光感受性物質は, 光感受性のみならず放射線感受性を有することがしられている. 5-アミノレブリン酸(ALA)は, 悪性神経膠腫の術中蛍光診断薬として利用されている. 近年, この5-ALAと放射線治療を組み合わせた治療の研究が進んでいる. 5-ALAは, 腫瘍細胞においてヘム代謝の過程で, ミトコンドリアにプロトポルフィリンIXを選択的に蓄積するが, 放射線はこのPpIXと反応し, 局所的にミトコンドリアに酸化ストレスを生じる. 本総説では, 悪性腫瘍に対する5-ALAを用いた放射線治療の現...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2021-01, Vol.41 (4), p.343-347
Hauptverfasser: 山本淳考, 北川雄大, 宮岡亮, 鈴木恒平, 高松聖史郎, 齋藤健, 中野良昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」光感受性物質を利用した診断・治療はすでに臨床現場で広く利用されている. ポルフィリンに代表される光感受性物質は, 光感受性のみならず放射線感受性を有することがしられている. 5-アミノレブリン酸(ALA)は, 悪性神経膠腫の術中蛍光診断薬として利用されている. 近年, この5-ALAと放射線治療を組み合わせた治療の研究が進んでいる. 5-ALAは, 腫瘍細胞においてヘム代謝の過程で, ミトコンドリアにプロトポルフィリンIXを選択的に蓄積するが, 放射線はこのPpIXと反応し, 局所的にミトコンドリアに酸化ストレスを生じる. 本総説では, 悪性腫瘍に対する5-ALAを用いた放射線治療の現状について述べる.
ISSN:0288-6200