胆管がんの局所治療としての光線力学的治療の現状と将来

胆管癌では局所の癌制御が患者の予後に大きく影響する.切除困難な症例も少なくなく確実な局所治療の確立が期待され,その中で光線力学的療法(photodynamic therapy: PDT)は有用な選択肢の一つである.PDT は腫瘍親和性光感受性物質を投与し,特異的なレーザー波長で腫瘍部位を励起し癌細胞を死滅させる治療法であるが,長期間の遮光を必要とする光増感剤の副作用が大きな問題点であった.近年,遮光期間や程度を軽減できる新規薬剤が開発されたが,本邦では早期肺癌が適応とされているに過ぎない.我々は,新規薬剤にて基礎的研究や臨床試験を実施し,以前のPDT に比べ,より高い治療効果と安全性を認めるこ...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2013/09/30, Vol.34(2), pp.107-112
Hauptverfasser: 七島, 篤志, 阿保, 貴章, 村上, 豪志, 野中, 隆, 磯本, 一, 岡崎, 茂俊, 赤司, 治夫, 永安, 武
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆管癌では局所の癌制御が患者の予後に大きく影響する.切除困難な症例も少なくなく確実な局所治療の確立が期待され,その中で光線力学的療法(photodynamic therapy: PDT)は有用な選択肢の一つである.PDT は腫瘍親和性光感受性物質を投与し,特異的なレーザー波長で腫瘍部位を励起し癌細胞を死滅させる治療法であるが,長期間の遮光を必要とする光増感剤の副作用が大きな問題点であった.近年,遮光期間や程度を軽減できる新規薬剤が開発されたが,本邦では早期肺癌が適応とされているに過ぎない.我々は,新規薬剤にて基礎的研究や臨床試験を実施し,以前のPDT に比べ,より高い治療効果と安全性を認めることができた.これらの結果と,国内外の胆管癌に対するPDT の現状と将来展望について総説する.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.34.107