フォトメカニカル波を用いたsiRNA 導入による脊髄損傷治療

光吸収体にパルスレーザーを照射して発生させるパルスフォトメカニカル波(photomechanical wave; PMW)を生体組織に作用させることで,細胞膜の分子透過性を亢進させうる.本研究では,ラット脊髄損傷モデルを対象に,この技術を用いて神経軸索伸長を阻害する中間径フィラメントタンパクの発現を抑制するsiRNA(small interfering RNA)を導入し,脊髄損傷後の運動機能改善を試みた.脊髄損傷のみの群,損傷後にsiRNA 溶液を注入した群,およびsiRNA 溶液注入後にPMW を適用した群の3 群で経時的に運動機能を評価したところ,損傷から5 日目以降,PMW 適用群におい...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2012/08/31, Vol.33(2), pp.97-103
Hauptverfasser: 安藤, 貴洋, 佐藤, 俊一, 豊岡, 輝繁, 小林, 弘明, 苗代, 弘, 芦田, 廣, 小原, 實
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:光吸収体にパルスレーザーを照射して発生させるパルスフォトメカニカル波(photomechanical wave; PMW)を生体組織に作用させることで,細胞膜の分子透過性を亢進させうる.本研究では,ラット脊髄損傷モデルを対象に,この技術を用いて神経軸索伸長を阻害する中間径フィラメントタンパクの発現を抑制するsiRNA(small interfering RNA)を導入し,脊髄損傷後の運動機能改善を試みた.脊髄損傷のみの群,損傷後にsiRNA 溶液を注入した群,およびsiRNA 溶液注入後にPMW を適用した群の3 群で経時的に運動機能を評価したところ,損傷から5 日目以降,PMW 適用群において他の2 群に対し有意に高い機能スコアが得られた.蛍光標識したレポーターsiRNA の導入実験において,PMW の適用により組織深部への導入が達成されていることから,このことが運動機能の改善に寄与したものと考えられる.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.33.97